カドー、“深化”した超音波式加湿器「STEM 620」

家電メーカーのカドーが、煙突を思わせるフォルムが特徴的な、スタイリッシュな超音波式加湿器「STEM 620」を発表しました。メーカー希望小売価格は4万2500円。同社の製品について代表取締役副社長 兼 クリエイティブディレクターの鈴木 健さんは「『進化』ではなく深める『深化』。改善していく方がスクラップ&ビルドよりイメージに近いものを作れるのではということで、深化にこだわって作っています」と語っていました。

加湿器は大きく「スチーム式」、「気化式」、「超音波式」の3つに分かれます。スチーム式は水を煮沸するためスチーム自体は安全ですが、熱湯を扱うため利用者の安全に配慮しなければなりませんし、消費電力が高いというデメリットがあります。気化式はスチーム式ほど安全ではありませんが、濡らしたフィルターに風を当てて水を気化させる方式のため、水に雑菌が繁殖しても空中に放出される危険性はそれほど高くありません。超音波式の場合、水をちょ運パによって振動させて「気化」ではなく「破砕」してミスト状にするため、汚れた水でもミストにしてしまいます。そのため、どの方式よりも水の安全に留意しなければなりません。もう1つの問題として、水の中に含まれるカルキ成分(カルシウム成分)もミスト状にして飛ばしてしまうため、テレビの画面など電子機器に白い粉(ホワイトダスト)が付着してしまうという問題もあります。

STEM 620は、その2つの問題の解決方法をさらにパワーアップさせたとのこと。フィルターによって水の抗菌、ホワイトダストの吸着を行っていたのですが、その役割を本体とフィルターに分散させることで能力アップを実現したとのことです。

代表取締役社長の古賀宣行さんは「抗菌専用のプレートを開発し、細菌やウイルス99.999%除去できるようになりました」と話していました。また、ホワイトダストを取り除くためのイオン交換樹脂が従来モデルでは約120ccだったのを、新モデルでは250ccにまでアップしているとのこと。「日本の水の硬度なら、ほぼ1シーズン取れると思います」と話していました。

従来モデルを私も自宅で使っているのですが、ミストが落ちて床が濡れたようになってしまうことがありました。今回のモデルは従来モデルに比べてミストが細かくなり、流路設計を改善してより高くまで届くようになったとのことです。また、水がたまる「蒸発皿」のような部分の抗菌性をアップしたことと、「人差し指で綺麗にできる」をコンセプトに形を見直して洗いやすくしたこと、さらにケーブルを脱着できることにしたことで、残った水を捨てやすくなったことが進化ポイントです。

代表取締役副社長の鈴木健氏は「『人差し指で綺麗にできる』をコンセプトに形を見直した」と話していました

それに加えて、フレグランスも開発されました。上からフレグランスオイルを垂らすことで、加湿するとともに薫も楽しめます。従来モデルでは煙突の先にあるスポンジのような部分にオイルを垂らして薫を楽しむスタイルでしたが、今回のモデルでは直接水の中に垂らしても衛生面で問題ないようにフレグランスを新規開発したと古賀社長は話していました。夏などの加湿の不要な時期は「間欠モード」を使って365日薫を楽しめるとのことです。水を超音波で破砕してミストにする超音波式加湿器ならではの楽しみ方と言えますね。

安蔵 靖志

IT・家電ジャーナリスト 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)。AllAbout 家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」に出演中。その他ラジオ番組の家電製品リサーチや構成などにも携わっている。

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